先日、ある中小企業の社長さんと話をしていました。テーマは、営業担当者が、客先訪問した時にいかにして、話をはずませるかです。ある営業担当者は、客先訪問した時に用件だけ言ってすぐに帰るそうです。これが悪いとは言いませんが、できれば仕事以外の話題もして話を弾ませて、仲良くなるのも営業ノウハウでしょう。
社長さん
「裏木戸にたてかけせし衣食住」って知っていますか?
坂田
「なんのこっちゃ?」
社長さん
「裏(ウラ)は世間の裏話、木(キ)は季節、戸(ト)は同業他社、(に)はニュース、(た)は他人の話、(て)は天気、(か)は家族、(け)は経済の話、(せ)世界情勢、(し)は趣味、(衣)は着るもの、(食)は食べ物、(住)は家」
社長さん
「これらの話題を仕事の話の合間に持ち出せば、相手も乗ってくるし、営業の話もはずむのです」
坂田
「ん~、なるほど」
確かに、商談の合間に「部長の息子さん、今度高校ですね。あそこの高校は競争率が高く、合格されたのはさすがですね」(か:家族の話)など、ちょっと余談話ですが、相手の気持ちも和むでしょうね。
最近は、SaaS型の営業支援システムなどが普及してます。それをを活用して、営業情報を共有したり日報をネットから送ったりするケースは営業情報の共有や活用として有効でしょう。しかし、上のような世間がうまくできる営業担当者を作る方が、実は受注が増えたりするのですね。
私はIT導入・活用する前に、やらなければいけない事が山ほどあるなと感じています。例えば、このように話の持って生き方などで、営業活動をうまく展開する技術を「営業担当者の固有技術」と定義しましょう。これは、営業担当者という人間に従属するもので、ちょうど工場の技能者に備わっている技能のようなものです。そして、組織的な営業力を向上させるためには、この固有技術を水平展開する必要があるのです。そのためのツールとしてグループウェアや営業支援システムなどが活用できるのです。つまり、営業活動を上手く展開するためには、まずは人間の能力が向上しないといけないのです(固有技術をつけないと)。そうでないと、いくら高級なITを活用しても意味がないのです。
IT経営コンサルタント 坂田岳史
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