こんにちは、IT経営コンサルタントの坂田岳史です。
2014年度より、経済産業が「攻めのIT活用!中小企業百選」という事業を行っています。
今回は、この「攻めのIT経営」というものを理解して頂きたく、5回シリーズでblog記事をお送りします。第1回目は、ITが生み出すもの(成果)について、考えをお話したいと思います。
企業が投資をする場合、必ず費用対効果を考えます。この場合、費用は容易に算出できますが、効果はどうでしょか?
例えば、製造が投資する加工機械は、「加工物」を生み出し、それはお金(売上)に換算できます。また、小売・サービス業が宣伝広告費をすると、それは「集客」を生み出し、これもお金に換算できます。このように、機械設備や宣伝広告は、その効果が比較的分かり易いと思います。
では、ITはどうでしょうか?尚、ITと言っても幅が広いので、ここでは業務システム(販売管理や生産管理システム等)、情報系システム(グループウェア等)、Web(ホームページやSNS等)、クラウドの4つについて、生み出すものを考えてみたいと思います。
1.業務システムが生み出すもの
(1)時間
システムを使う事で従来の業務が効率化でき、従業員に時間の余裕が生まれます。
(2)信頼性
システムを使う事で見える化ができ、業務改善活動が進み得意先からの信頼性が生まれます。
(3)規律
システムを規則通りに使う事で、社内的な規律が生まれます。
2.情報系システムが生み出すもの
(1)創造性
グループウェアなどを使う事で、各人の知恵が結集され、新たな顧客対応法などの創造物が生まれます。
3.Webが生み出すもの
(1)顧客
ホームページやSNSを活用する事で、自社や自店のプロモーション、或いはネット販売などで新たな顧客が生まれます。
4.クラウドが生み出すもの
(1)利便性
クラウドを使う事、外出先からでもシステムなどを活用できる為、利便性が生まれます。
このように、ITは企業に有益なものを生み出す力があります。ただし、これらの産物をいかに経営改革や改善に活用するかは、その会社の力量によります。せっかく性能がいい工作機械を買っても、上手く使えないと経営的効果が出ません。つまり、ITの産物を活かす為には、「産物を生み出す力量」が重要になります。これについては、別の記事でご紹介しますが、IT経営を実践する場合、まずはITの成果(産物)が何であるかを、経営者の方はご理解頂きたいと思います。
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