こんにちは、IT経営コンサルタントの坂田岳史です。
先日、京都IT経営カンファレンスが開催され、「IT経営におけるクラウドのメリット」というテーマで講演させて頂きました。ここでは、その概要をお話しします。
■IT経営を実践する時の課題
IT経営とは、IT活用の為の目的(戦略)を明確にして、その目的達成の為に必要なIT化企画を作り、それに基づきシステムを調達、導入、運用する一連のプロセスです。このロセスに基づきIT活用を行う企業も多くなっています。しかし、次のような課題もあります。
1.ITを活用した戦略の実現、課題の解決には時間かかるケースが多い
IT経営を実践する場合、営環境の分析、現状の業務フロー作成、問題や課題抽出、新規の業務設計やフロー作成、IT(システム等)の導入など、いくつかのステップがありますが、これらを1つひとつ実施すると非常に時間がかかります。特に、ITの導入はサーバーの構築やソフトウェア開発など、最も時間がかかる工程です。
2.ITの導入では費用がかかり、相当の意思決定が必要
特にに中小企業では、いくら効果がでると分かっていても、高価なITは導入できないケースもあるでしょう。
3.戦略実現や課題解決に必要な、性能・機能を持つITを調達できない事もある
社内からしかシステムを使えない(社外からは簡単に使えない)、必要な機能がそろっていない(揃っているのは高い)、使い易いU/Iになっていないどの問題もあります。
※特に中小企業においては、このような課題があるため、スムーズにIT経営に取り組めないケースも多いと思います。
■IT経営におけるクラウドの役割
上記のようにIT経営を実践する時は、いくつかの課題があります。しかし、クラウドはある程度、この課題を解決できる可能性を持っています。
1.IT導入の期間が短くできる(時間的効果)→IT経営のサイクルが早くなる
クラウドを活用する事で、サーバー構築等の時間が短縮されます。また、SaaS系のソフトを使えば、ソフトウェア導入う期間も短くなります。これは、IT導入にかかる時間が短くなる事を意味します。blogのイメージをご覧ください。左のイメージは、クラウド化によるIT導入期間が短くなっている様子を表します。これは、IT経営プロセスのサイクルが短くなり、1つの課題をITで解決した後に、次の課題に取り組むまでの時間が短くなり、IT経営のサイクルが早くなります。
さらに、右のイメージは、IT経営プロセス全体の期間は変わりませんが、IT導入の期間が短縮されているので、その前後工程(戦略策定やIT化企画作成、運用による効果確認など)の期間が延びています。IT経営においては、IT導入も重要ですが、その前後工程も重要です。クラウド化により、このように重要な前後工程に時間をかけて、戦略作成等の精度を上げる事もできるでしょう。
2.IT導入が比較的低価格で行える(費用的効果)→小回りが利くようになる
クラウドを活用すると、IT導入費用が安くなるケースもあります。そうなると、IT導入の意思決定も早くなり、中小企業でも導入しやすくなります。また、導入費用が安くなれば、従来部長決済だったものが、課長決済で済むかもしれません。つまり、IT導入の小回りが利くようになるでしょう。。
3.IT導入で必要な機能や性能が得られる(利便的効果)→欲しい物が揃う
クラウドを活用する事で、「サーバー等の管理が必要ない」、「情報セキュリティも確保され、災害時なども事業継続が可能となる」というメリットがあります。さらに、今後、従来社内サーバー型であったパッケージソフトがクラウド化されることで、ソフトウェアの選択肢が増える可能性があります。これは、企業にとっては必要なものが揃い、管理の手間もなくなり業務に専念できる環境ができると言えるでしょう。
※このような事から、IT経営におけるクラウドの役割は、メリットは「時間的・費用的・利便的効果」が得られると言えます。これは、美味い、安い、早い!という事ですから、私はこれを「クラウド活用による、牛丼効果!」と言っています。
特に中小企業にとって、IT経営を実践する場合、牛丼効果があるクラウドは、活用を検討する価値があると思います。
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